胃カメラ飲んできた

一連の検査の一環として、胃カメラ宣告が出たのは2週間前。
以来ずーっと、イヤ~な宿題を抱えてるキブンで落ち着かなかった。
その間、ネットでいろんな人の胃カメラ体験記を読んでみたが、
「あまりの苦しさに涙が止まらなかった」、「何があってももう二度と受けたくない」、
「現代の医療とは思えない」…等々、安心材料を得るどころか
ロクでもない体験記ばっかり出てきてげんなりするばかり。
不安は日を追うごとにいや増した。

昨夜は夜8時以降絶飲食。脱水になるのでわずかなお茶をちびちび飲む。
寝る前、おなかがすいたけどもガマン。
ネットで仕入れた「楽に受けるコツ」をおさらいしながら就寝。夢に出なかったのが不思議だ。


そしてついに迎えた胃カメラ当日。

病院で受付をすませると、心の準備をする間もなく呼ばれてしまった。
まずコップ1杯の、胃の泡を消す薬を飲まされる。
かすかに甘じょっぱい、濁った水。ぬるいのでキモチ悪い。
そばで見ている看護士さんを「ゆっくり飲ませてください」と言って追い払う。
せめてキンキンに冷やしてジョッキにでも入れてくれたら一気に飲めるだろうに。

次に、苦い水あめ状の喉の麻酔薬をコップで渡される。
これを飲み込まず喉に貯めたまま数分間おく。
喉に流し込んだ瞬間、あまりの粘度の高さに窒息するかと思った。
ぬるーく苦い液体がつつーっと喉を伝い、思わずちょびっと飲み込んでしまう。
時々「オエ」となりながら、喉がしびれるまで待たされた。
えづくので喉の奥に流し込めず、舌ばっかりしびれて話せない。

ちゃんと麻酔できているのか微妙なまま検査室に招かれて、次は
一時的に胃の動きを止める薬を筋肉注射。
注射のためなにげなく座ったベッドの枕元をふと見ると、

…これか胃カメラ。

モニターのようなものにつながれている、黒いゴムホース(のような物体)。
なんとすでに「私の胃カメラ台」に生けどられていた。

ちょっと待って。
ちょっと待って。
今まで2週間、いろいろイメトレしてきたの。
ちょっと復習。復習させて。

が、看護士さんは無情。
すぐに横たわるように促される。
真ん中に穴の開いたマウスピースを噛まされる。
「よだれが出てきたら、飲み込まずに垂れ流して下さいね」と、
半月型のトレーを口元に置かれる。

…もう何も言うまい。何も思うまい。
ネットの体験記にも書いてあった、「まな板の鯉になるのが一番」。
私は置物。ただの冷たい石の置物。何も見ない。何も感じない。

でも怖いものみたさで少しだけ目をあげて黒い物体を見てみた。

やっぱり見た目はゴムホース。
よく「ボールペンぐらいの太さ」というが、ボールペンはボールペンでも
あの黒いふたのあれじゃない。4色ボールペンぐらいの太さはある。
その先が赤や緑の不吉な光をピカピカ発している。

「余裕があったら、モニター見てみてくださいね~。
ご自分の胃や食道が見れますからね」
とやや楽しげに言われたが、私はこれを完全に無視した。

先生「はいでは、入りまーす。身体の力を抜いてラクにして~、
ごめんなさいね、ここが一番苦しいですよ~」

ググッ。ンググッ。ゴリゴリゴリッ。
ズルズルズルッ。ズルズルッ。
私の生温かい、粘膜に包まれた繊細な食道を、無機質な冷たい棒状の物体が
グイグイ押し広げながら進む。
よくわからないが、肺とか肋骨とか、そういうものまで圧迫されているんじゃないかと
思うぐらい、巨大なものが通っている。
痛いような苦しいような気もするが、それより胸の圧迫感が圧倒的なのでよくわからない。

「もう胃に入りましたよ~、さっき飲んだお薬を吸い取りま~す」

胃の中でカメラの先端がモゾモゾ動く。
そのたびに、意に反してあの、吐いても何も出ないときの胃のけいれんが起こる。
「オエッ、オエ~ッ」看護士さんが背中をさすってくれる。

「ちょっと胃に空気入れて膨らましま~す」
先生が手元のレバーを操作して、キュイーンと空気が入る音がした。
げっぷを数日間がまんし続けたような膨満感が胃を満たす。
ああ、究極の不快感。でも私は置物。何も文句は言わない。

「じゃあもう少し、十二指腸のほうまでカメラ入れますよ~」

ズルズルズルッ。ズルズルッ。
部活中、校庭に水播きするためにホースを引きずり回す光景が脳裏に浮かぶ。
カメラが行ったり来たり、上下する感覚は、とうてい人体の中で起こっているとは
思えない粗雑な感覚。しかも先生がズルズル押し込むホース
(すでに私の中ではホース)の長さ、ハンパじゃない。
いつになったら届くんだと思った頃、「十二指腸も見てますよ~、キレイです」。
ああそう、じゃあもういいからとにかく早く抜いてください。

ホースを動かさないでいてくれる間はいいのだが、動かすたびに「オエ~」となる。
人間、唾が貯まると飲み込まずにいられない。が、飲み込もうとすると喉に刺さった
巨大な筒が、柔らかい喉の筋肉を締めつける。もう、いてもたってもいられない。

「もう一度胃の中見て終わりますね~、もう半分以上終わりましたよ~」

あきらめの中で一応、気休めにカウントダウンしてみる。あと30秒ぐらいかな?
29.28.27.26…

「キレイな胃ですね、問題ないです。では空気抜いて、終わっていきま~す」
ズルズルズルズルズルズルズルズルズル。
永遠に出きらないんじゃないかと思うほど、先生のたぐり寄せるホースは長かった。
しかも終わった途端すごい速さ。ズルズルズルズルズルズル!!
んぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!

口からサイヤ人を産んだような難事のあと、ようやく胃カメラ検査が終わった。

…えらかった。
あぁえらかった。
終わったうれしさと晴れやかさで、最後には先生に笑顔でお礼まで言えてしまった。

・・・・・・・・・・・・

結果はといえば、小さなポリープは見つかったが、特に治療が要るほどではなく
あとはいたって健康な胃であるということ。
健康なのはうれしいが、その健康人にこんなストレスフルな検査を受けさせて
それで胃潰瘍になったらどうするんだといいたい。

ネットで予備知識をたっぷりつけて臨んだので、最終的な感想では
「予想していた最低最悪の体験よりは、ほんの少しましだった」。
看護士さんにも「上手でしたよ」と言われたし、やっぱり
「まな板の鯉」になったのがよかったかもしれない。
怖くなるから事前に調べたりしないんだ、という人もいると思うが、これに関しては
絶対予備知識をつけてかかったほうがいい。断言します。

とにかくこの2週間の重荷を肩から下ろせて、何とも晴れやかな気分。
やっぱりできることならもう二度と受けたくないものだ。
(長文にお付き合い、ありがとうございました)
by hui_hui | 2008-04-24 00:38
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